病院やクリニックなどの医療機関において、入退室管理システムの導入は「患者の安全確保」「機密情報の保護」「薬剤管理の厳格化」という観点から非常に重要です。しかし、医療現場では常に院内感染のリスクと隣り合わせであり、多くのスタッフが触れるドアノブや認証リーダーの表面は、接触感染の経路となる懸念があります。
そこで今、多くの医療現場で求められているのが、一切の接触を排除した「完全非接触型」の入退室管理システムです。医療従事者が両手に医療器具やカルテを持った状態でもスムーズに通行でき、かつ衛生的な環境を維持できる非接触認証は、現代の医療経営において不可欠な設備といえます。本記事では、病院における非接触入退室管理の導入方法や、エリア別の活用事例について詳しく解説します。
医療機関には、一般のオフィスとは異なる特殊な環境要因があります。非接触システムが選ばれる背景には、主に以下の3つの理由が挙げられます。
病院内では、常に細菌やウイルスによる接触感染のリスクを最小限に抑える必要があります。指紋認証やテンキー入力のように、不特定多数のスタッフが同じ場所に指で触れるシステムは、衛生管理上の弱点になりかねません。「触れずに認証する」仕組みを導入することで、接触感染の連鎖を物理的に断つことが可能になります。
医師や看護師は、日々忙しく院内を駆け回っています。処置室や病棟への移動のたびに、ポケットからカードを取り出したり、手袋を外して認証を行ったりする手間は、一刻を争う現場において大きなストレスとなります。非接触かつハンズフリーなシステムであれば、作業の手を止めることなくスムーズな移動が可能になり、医療業務に専念できる環境が整います。
病院には、薬剤室やサーバー室、新生児室など、限られたスタッフ以外は絶対に立ち入らせてはならない重要エリアが多数存在します。非接触の生体認証(顔認証など)を活用すれば、ICカードの貸し借りや盗難による「なりすまし」を完全に防止しつつ、クリーンな環境のまま高度なセキュリティを維持できます。
医療現場の動線や衛生基準に合わせて、最適な認証方法を選択することが大切です。現在、病院で特によく採用されている3つの認証方式をご紹介します。
カメラの前に立つだけで、0.2〜0.5秒という驚異的なスピードで個人を識別する顔認証は、病院において最も注目されている方式です。最新のAIモデルは、マスクや医療用ゴーグル、キャップを着用したままでも高い精度で本人確認が可能です。
顔認証端末にサーマルカメラ(体温測定機能)を連動させることで、入退室の認証と同時にスタッフや出入り業者の体温を測定できます。発熱者を検知した際に自動で扉を開けないように設定すれば、院内への感染源の持ち込みを水際でブロックできます。
「ICカードをリーダーにかざす」という動作すら不要にするのが、ハンズフリーICカードです。白衣のポケットやネックストラップにカードを入れた状態でドアに近づくだけで、数メートル手前から電波を検知して自動で解錠されます。
ストレッチャーを押している際や、両手で処置道具を運んでいる際でも、立ち止まることなく扉が開くため、救急現場などの迅速な対応が求められるエリアに最適です。また、特定のスタッフがどの病棟にいるかをリアルタイムで把握する「所在管理」への応用も可能です。
認証システムだけでなく、自動ドアを起動させるスイッチ自体を非接触化することも重要です。手をかざすだけで反応する赤外線センサーを顔認証等と組み合わせることで、入り口から室内まで一度も何かに触れることなく移動できる「完全タッチレス動線」が完成します。
病院内はエリアによって求められるセキュリティの性質が異なります。代表的な活用シーンを比較表でまとめました。
| エリア | 推奨される認証方法 | 導入の主な目的と効果 |
|---|---|---|
| 薬剤室・麻薬庫 | 顔認証 + 二重ロック | 厳格な薬剤管理 「誰がいつ入ったか」の証拠を顔写真付きで記録。 |
| 手術室・ICU | 顔認証(マスク対応) | 徹底した衛生管理 手洗い後の再汚染を防ぎ、清潔な状態で入室。 |
| ナースステーション | ICカード(ハンズフリー) | 業務効率の向上 忙しい看護業務を妨げず、スムーズな出入りを実現。 |
| 新生児室・小児病棟 | 顔認証 + 所在管理 | 連れ去り防止・安全確保 関係者以外の侵入を遮断し、患者の安全を死守。 |
病院は災害時でも機能し続けなければならない重要拠点です。非接触システムを導入する際は、以下の点も必ず考慮に入れましょう。
落雷や災害でビル全体の電源が落ちた際、すべての扉がロックされてしまうと、患者の避難や救急対応に致命的な影響を及ぼします。停電時に自動で解錠される「通電時施錠型」の電気錠の選定や、非常用バッテリー(UPS)の設置、さらには物理鍵による手動解錠手段の確保など、多重のバックアップ体制を構築することが推奨されます。
入退室のログデータを、そのままスタッフの勤怠管理や残業時間の集計に活用することで、事務部門の負担を大幅に軽減できます。導入検討時には、すでに稼働している院内ネットワークや勤怠システムとデータの互換性があるか、API連携が可能かを確認しておくと、導入後の利便性が飛躍的に高まります。
病院における入退室管理の「非接触化」は、単なる防犯対策を超え、院内感染の防止と医療サービスの質を向上させるための重要なインフラです。マスクを着けたまま一瞬で個人を特定する顔認証や、手をかざす必要すらないハンズフリーICカードなど、最新の技術を適材適所で活用することで、スタッフも患者も安心して過ごせる医療環境が実現します。まずは院内の動線やセキュリティレベルを棚卸しし、医療機関への施工実績が豊富な専門業者に、現場に即した最適な非接触ソリューションを提案してもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。
本サイトでは、市場にある入退室管理システムを徹底調査。
入退室管理システムの目的に適した条件で選出したシステムをおすすめの製品として紹介します。

選定条件
2024/3/8時点Googleで「入退室管理システム会社」で検索して公式サイトが該当した81社の142製品を調査。その中で、製品比較の際に必要な費用の明記があり、中間マージンをかけず齟齬なくスムーズに対応してもらえる自社一貫対応している7製品を調査。以下の条件で選出した入退室管理システムを導入目的別に紹介しています。
・カオゲート:入退室管理システムの平均利用期間である5年で費用を計算した時に7製品中最も安く、コスパの良いシステムを求めているユーザーに適していると判断
・入退室管理システムNet2:入退室管理システムの認証方法の中でも、より精度が高い認証方法(※)に対応していることから高いセキュリティを求めているユーザーに適していると判断
・Gate Access Control System:7製品中、勤怠を管理システムとの連携ができることから、入退出管理と勤怠管理を同時にしたいユーザーに適していると判断
※導入内容により異なります。詳しくはS-TEKTにお問い合わせください。