工場の敷地入り口、オフィスの外周門扉、あるいは保育園やマンションの屋外ゲートなど、建物の「外」にある門扉にセキュリティ対策として入退室管理システムを導入したいというニーズが増えています。部外者の敷地内への侵入を水際で防ぐためには、建物だけでなく屋外門扉での管理が極めて有効です。
しかし、屋外への設置には手動の室内扉とは異なる「雨水への対策(防水性)」「激しい温度変化への耐性」「配線ルートの確保」といった特有のハードルが存在します。適切な防水性能や機器の選定を行わなければ、導入後に故障や誤作動を繰り返す原因になりかねません。本記事では、屋外の門扉に防犯システムを後付けする方法や、必須となる防水・防塵規格、設置時の注意点について詳しく解説します。
屋外の門扉や外周ゲートに入退室管理システムを導入する目的は、設置する施設によって多岐にわたります。代表的な導入先とそれぞれの目的、効果について見ていきましょう。
広大な敷地を持つ工場や物流拠点では、建物に入る前の「敷地境界」で部外者をシャットアウトすることが重要です。門扉に入退室管理を導入することで、許可された従業員や登録車両だけを敷地内に進入させることができます。
また、広範囲に警備員を配置するコストを削減し、24時間体制で外周のセキュリティを無人化・省力化できる点も大きなメリットです。万が一のトラブル発生時にも、敷地内に「誰が・いつ入ったか」の正確なログを追跡できます。
近年の教育・保育施設では、園舎の入り口だけでなく、道路に面した外門(校門・園門)のセキュリティ強化が急務となっています。保護者以外の不審者が敷地内へ一歩も立ち入れない環境を作ることで、子どもたちの安全を確実に守ります。
後付けの入退室管理システムを導入すれば、保護者にはICカードや暗証番号、顔認証などで解錠してもらい、部外者が来訪した際はインターホンで遠隔から確認して解錠する、といった安全かつスムーズな運用が可能になります。
雨風や砂埃に直接さらされる屋外の門扉では、機器がどの程度の環境に耐えられるかを示す「IP規格(電気機械器具の外郭による保護等級)」を確認することが絶対に欠かせません。IP規格は「IP65」のように2桁の数字で表記され、第1記号(前の数字)が防塵、第2記号(後ろの数字)が防水の性能を表します。
屋外の門扉に入退室管理システム(認証リーダーや電気錠)を設置する場合、選ぶべき性能基準の目安は以下の通りです。製品選定の際の参考にしてください。
| 保護等級 | 防塵性能(前の数字) | 防水性能(後ろの数字) | 屋外門扉での適合目安 |
|---|---|---|---|
| IP54 | 5:有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない | 4:あらゆる方向からの飛まつ(しぶき)による有害な影響がない | △ 不可または条件付き ひさしがあり、雨が直接当たらない半屋外なら可 |
| IP65 | 6:粉塵が内部にまったく侵入しない(完全な防塵) | 5:あらゆる方向からの噴流水(ジェット噴流)による有害な影響がない | ◎ 推奨 雨風が直接当たる一般的な屋外門扉に最適 |
| IP67 | 6:粉塵が内部にまったく侵入しない(完全な防塵) | 7:一定の時間(30分間)、規定の圧力(水深1m)の水中に没しても水が侵入しない | ☆ 非常に安全 台風による一時的な冠水や、激しい豪雨が想定される場所に最適 |
屋外環境で使用する場合、認証リーダーの耐久性や利便性も考慮する必要があります。現在、屋外の門扉で特によく採用されている3つの認証方法の特徴を解説します。
端末に顔を向けるだけで解錠できる顔認証は、非接触であるため屋外運用において非常に高いメリットを持っています。近年はIP65以上の防水性能を備えた屋外専用の顔認証端末が数多く登場しています。
雨の日に傘を差していたり、荷物で両手が塞がっていたりしても、鍵やカードを取り出すことなくスムーズに門扉を通過できます。ICカードのように「濡れた手で財布からカードを探す」といった手間が発生しません。
屋外ではカードの紛失やポケットからの落下リスクが高まりますが、顔認証であればその心配が一切ありません。ただし、直射日光が端末のカメラに強く当たると逆光で認識しづらくなる場合があるため、設置向きの工夫やフード(日よけ)の設置が推奨されます。
既存の社員証やICカードを活用できるため、多くの施設で標準的に選ばれている方法です。屋外用カードリーダーの多くは、内部の基盤が樹脂で完全に固められている(コーティングされている)ため、水や塵に対して非常に高い耐久性を誇ります。
リーダー自体が薄型でコンパクトな製品が多いため、門扉の細いアルミサッシや門柱の限られたスペースにもすっきりと後付け施工ができる点が強みです。
物理的な鍵もカードも持たないため、不特定多数の来客や交代制のスタッフが出入りする勝手口・通用門などに適しています。テンキー部分は摩耗による番号の特定を防ぐため、定期的に数字の配置が変わる「ランダムテンキー」機能付きの屋外製品がおすすめです。
屋外門扉への入退室管理システム後付け工事は、室内の扉への設置に比べて専門的な技術を要します。施工トラブルを防ぐために、以下の点に注意してください。
門扉を施錠・解錠するためには、門扉専用の「屋外用電気錠(電磁石の力で吸着する電磁錠など)」を設置する必要があります。手動の門扉にこれらを後付けする場合、門扉の噛み合わせがズレていると正常に施錠できなくなるため、事前の門扉自体のメンテナンスや建て付け調整が必須です。また、電気錠の配線接続部分には必ず防水ジャンクションボックスや防水テープによる絶縁処置を施します。
屋外の門扉へシステムを導入する場合、建物内の管理パソコンや電源から、遠く離れた門扉までどのように配線(電源線・通信線)を引くかが大きな課題となります。アスファルトを掘削して管を通す「埋設配線工事」を行うか、ワイヤーを渡して空中を通す「架空配線工事」を行うかによって、工事費用が数十万円単位で変動します。事前の現地調査で最適なルート選定を行いましょう。
防水性能(IP)だけでなく、機器が耐えられる「温度」にも注目してください。夏場の直射日光が当たる屋外端末は、表面温度が60度以上になることもあります。逆に冬場の寒冷地では氷点下10度を下回ることも珍しくありません。機器を選ぶ際は、動作保証温度が「-20℃ 〜 60℃」など日本の過酷な屋外気候に対応しているかを必ずカタログで確認してください。
屋外の門扉・ゲートへの入退室管理システムの後付けは、敷地全体の防犯性を格段に引き上げる重要なステップです。雨や砂埃、気温の変化に耐えうる「IP65以上の防水・防塵性能」や「動作保証温度」を備えた高耐久な製品を選定することが、長期的な安定運用の鍵となります。配線工事の規模によって費用が変わるため、まずは屋外施工の実績が豊富な専門業者へ相談し、現地調査に基づいた見積もりを提案してもらうことをおすすめします。
本サイトでは、市場にある入退室管理システムを徹底調査。
入退室管理システムの目的に適した条件で選出したシステムをおすすめの製品として紹介します。

選定条件
2024/3/8時点Googleで「入退室管理システム会社」で検索して公式サイトが該当した81社の142製品を調査。その中で、製品比較の際に必要な費用の明記があり、中間マージンをかけず齟齬なくスムーズに対応してもらえる自社一貫対応している7製品を調査。以下の条件で選出した入退室管理システムを導入目的別に紹介しています。
・カオゲート:入退室管理システムの平均利用期間である5年で費用を計算した時に7製品中最も安く、コスパの良いシステムを求めているユーザーに適していると判断
・入退室管理システムNet2:入退室管理システムの認証方法の中でも、より精度が高い認証方法(※)に対応していることから高いセキュリティを求めているユーザーに適していると判断
・Gate Access Control System:7製品中、勤怠を管理システムとの連携ができることから、入退出管理と勤怠管理を同時にしたいユーザーに適していると判断
※導入内容により異なります。詳しくはS-TEKTにお問い合わせください。